会社・政府といった絶対権威の否定
まず最初に、新日本人は会社という「魂の牢獄」から抜け出して、その権威を否定し精神的に独立しなければなりません。「会社や政府に依存していればいいや」と思っているから、「そこに権威がある」と思いたいだけなのです。しかし本当は会社も政府も単なる人とカネと情報の集まりでしかなくて、その権威は張り子のトラでしかないのです。
「王様は裸だ!」と叫ぶことができて初めて、自分の目で現実に起こっていることを把握して、自分の頭で問題を解決するにはどうすればいいのかを考えられるようになるのです。たしかに「会社は最後の拠り所」と考えているサラリーマンは、どうしても「板子一枚、下は地獄」という漁師の気持ちはわからないかもしれません。しかしこれだけ経済成長率が低くて、政府に膨大な借金が貯まっているのに、まだ「日本経済は大丈夫だ」と言い張っていられるのは、自分と目で現実を直視していない証拠なのです。ここに目覚めなければ話は始まりません。
利益を追求するビジネスの視点
2番目に、新日本人は「公益を考えつつ、自分自身の利得を最大化する」というビジネスの視点を持っていなければなりません。商売相手と利益のやりとりをするということは、共通の価値を認識することにつながりますし、それを押し進めてマーケットを尊重する姿勢を持つはずです。
共同体依存症の旧日本人は、自分がしゃかりきになって働かなくても、共同体の人たちが食べ物を分けてくれるので問題なかったわけです。でもそれは現代社会ではおかしな発想です。どんぶり勘定をやっているとどうしても、どこでだれが利益を出しているのか、本当にビジネスがうまくいっているのかがわからなくなってしまいます。ですからそこを細かく分けて、だれがどのようにして儲けているのかを明らかにし、その方法をみんなに拡げていくというマネジメントが必要なのです。儲けや資本の論理にある程度忠実であるというビジネスマンの合理性を徹底しなければ、日本経済が救われることはないでしょう。