【ビジネス・マインドがなければ、もはや生き残れない】
自立して生きていくためには、「どうすれば儲かるか」を理解し、きちんと実行する能力が必要です。共同体に住んでいる旧日本人は、おそろしいほどこの能力がありません。「どうすれば自分たちの持つ資源やノウハウで新しい価値をつくれるか」が誰にも見えていないから、旧日本型企業は儲からないのです。
「自分の属している組織やユニット単体で帳尻が合っていなければおかしい。赤字は自分のところに周り回ってくるのでヤバイ」と感じなければまずいと思います。この感覚がビジネスのスタート地点です。
ですから、「自分がやっている仕事は会社や事業部の中でどのような役割を果たしており、実際に企業全体の運営にプラスになっているか」を客観的に評価できる皮膚感覚が必要でしょう。それを意識し始めれば、「これでほんとにいいのかな」と自分の仕事の現状を調べたり考えたりするはずです。その姿勢が大切です。
【プロの仕事とは、知恵を絞って付加価値をつけた仕事のこと】
儲けるためのビジネスの能力やセンスを身につけるには、実践しかありません。
いちばん効果的なのは、プロジェクト・リーダーになることです。自分のアイデアにもとづいて、限られた資金や人手を使って商品をつくりマーケットにぶつけるのは、ゲームのような楽しさがあります。自分が仕事を立案して、収益責任を負いながら結果が出るまでプロジェクト全体に目配りをすれば、経済合理的な感覚やマーケット感覚、ルールを守る態度をしっかり身につけられるはずです。儲からなければ、ビジネスに意味はありません。儲けるためには、自分が付加価値をつけるしかないのです。それがプロです。なるべく若いうちに経営感覚を擬似的に体験できる仕事のチャンスを与えるのは、その人のビジネス・マインドを磨くのに有効だと思います。