【STEP2 旧日本人=抵抗勢力を無力化する】
準備が整って、「頃合やよし」ということになったら、いよいよ旧日本人を封じ込める番です。
敵は人事権という強力な武器を持っています。これを使って改革派のリーダーを異動されると、どんなに頑張っても改革は続行できません。抵抗勢力と呼ばれるくらいですから、旧日本人の抵抗を封じ込めるのはなみ大抵ではありません。
彼らは社内では人事権、命令権、意思決定権を持つ強い立場にある上に、タコツボに引きこもっているので、簡単には新日本人の土俵の上に乗ってきません。そこでまず、揺さぶりをかけてタコツボから引きずり出す必要があります。旧日本人は「数が多い方が常に正しい」という不思議な考え方をしていますから、新日本人の数を増やして外堀を埋めてしまえば旧日本人の土台を大きく揺るがすことができます。
もうひとつの闘い方は、理詰めで相手を追い込んでいくことです。旧日本人は、なぜそれがそうなのか知らないままに昔からのやり方を引き継いで伝えていくという方法論しか知りませんから、理論武装がさっぱりできていません。ですから新日本人は、合理性や社会性といった論理で旧日本人に勝負を挑めばいいわけです。どうしても解決しなきゃならない問題を設定してこちらの土俵に引きずり出してしまえば、旧日本人は白旗を揚げざるをえなくなるはずです。
それでもなお旧日本人が抵抗をやめない場合は、あらゆる強行策や非常手段を使って地位から追い落とす必要が出てきます。「孫子」ではありませんが闘わずして勝つのが最上の策ですから、これはあまりお勧めできません。しかし非常時にはやむを得ぬことだと思います。
新日本人が闘いを仕掛けても、時期や形勢を読みまちがえたら旧日本人に負けてしまいます。クーデターに失敗したら、深手を負う前にす早く撤退するのがよいでしょう。またステップ1に戻って同志を増やし改革案を練ればよいのです。チャンスは必ずふたたび巡ってきます。