利益を同じくする新日本人を発見し、団結せよ
次に闘いに備える新日本人がやらなければならないことは、同志を見つけ出して団結することです。「同志なんかいないよ」と思われるかもしれませんが、必ずいます。
新日本人を発見するには、社内の人たちの言動を観察していて、その人が「会社に依存していない、合理的な考え方をしている、顧客や市場を大切にする」といった新日本人特有の特性をあわせ持っているか注意していればよいのです。同志に巡り合ったら、いま自社が陥っているピンチとその原因は何なのかについての自分の問題意識や危機感をぶつけてみましょう。必ず彼はそれに反応してくるはずです(地雷を踏んだらさっと身を引きましょう。
また旧日本人のなかにはとにかく相手の言うことには同意して反論しないというタイプの人もいます。こういう人は敵に内通する可能性もあります。慎重に見極めましょう)。
そして新日本人には、必ず志を同じくする仲間がいますから、自分の仲間と相手の仲間を連帯させることでさらに数を増やせるはずです。ネットワーク能力をフルに活用しましょう。新日本人的な要素を持っているけれど、自覚が足りない人に対しては、一緒にランチを食べたり、社内勉強会をやったりして新日本人的な考え方を共有してもらいましょう。そうやってオルグして、新日本人的な文化をみんなの頭の中で共有し、その輪を広げていくのです。
これは非常に大切なことです。自信と行動力にあふれた人は、ともすれば「自分ひとりで問題を解決できる」と思って独走してしまいます。しかし目立ってしまうとかえって旧日本人に足をすくわれやすくなるので独走は得策ではありません。それよりもみんなの意識を少しずつ変えていくことが、回り道のように見えて長い目で見ればいちばん早い社内闘争勝利への道なのです。
一方で、旧日本人は出世のことしか頭にないだけに、組織感覚力には異様に優れたセンスを持っています。彼らはビジネスはうまくありませんが、社内政治の専門家なのです。この点について旧日本人を舐めていては、必ず痛い目にあいます。ですから闘争に向けたネットワーク活動は細心の注意を払って行わなければなりません。何か隠れ蓑になるようなプロジェクトにかこつけたり、社内公認の大義名分を持って仲間を探すのがいいかもしれません。