深手を負うな。闘争のチャンスは必ずまた来る
旧日本人も必死ですから、あらゆる手を使って反撃してきます。闘争に負けて相手が完全に実権を掌握し直したら、「改革派」としての自尊心を満たすために深追いをしてはなりません。それによってリカバリーに時間のかかる深手を負ってしまう危険があります。負けたら傷口が小さいうちに撤退すべきです。何事もなかったかのように知らん振りを決め込んでおけばよいのです。しかしうまくいかなくても決して改革をあきらめる必要はありません。どうせそうすぐには景気は回復しませんし、業績もよくはならないのですから、チャンスは必ず巡ってきます。
不遇のときはガンジーのように非暴力不服従で、仲間と一緒にサボタージュなどの消極的な抵抗をしてもよいでしょう。あるいは、自分の趣味の世界に逃げて気を紛らせて時間をつぶすというのも悪くありません。
この闘いは基本的にゲリラ戦なのです。旧日本人の方が権力を持っていて、しかも数が多いのですから、この不利な状況下で闘うためには機動力を最大に利用すること。陽動作戦などを使って相手を不利な状況に追い込んで少しずつやっけること、なるべく多くの人を味方につけて相手を裸の王様にしてしまうことです。だから負けても恥じる必要はまったくありません。
また最初のステップに戻って同志を増やし、システムの改革策を検討し、旧日本人が不利な状況に自ら落ち込むのをひたすら待てばよいのです。格好悪くなんかありません。あなたがみんなのために闘ったことはみんな知っているわけですし、みんなの利益をために会社を私している旧日本人と闘う新日本人は、たとえ一生涯勝てなかったとしてもすでに彼の心の中では勝利を手にしているのです。それは「自らの弱さ」に勝ったという、旧日本人には逆立ちしても勝ち取ることができない尊い勝利なのです。
社業が好転しない限り、旧日本人はどんどん不利な立場に追い込まれていきます。旧日本人の味方は増えず、内外からの不信の目は増すばかりですから、旧日本人に有利な点は一つもありません。新日本人は必ずこの闘いに勝つのです。どんなに強がっていても、旧日本人がやっているのはムダな抵抗でしかありません。ただし彼らには「死なば諸共」という特攻精神がありますから、そこに相手を追い込まないように注意する必要があります。