心を強く持たなければ、改革の道は歩めない
以上が旧日本人ビジネスマンの意識がどのように形成されてきたのかについての、旧日本人の社会システムの歴史をも含めたご説明です。
そしてみなさんにどうしてもご理解いただきたい重要なことが一点あります。もしこのまま旧日本人の意識が新日本人的に変化しなかった場合、むなしい希望を抱き続けている旧日本人のみなさんには悪いのですが、この先、日本は没落を経験することになるでしょう。昭和初期に、貧困の不条理に耐えかねた若者が愛国運動に身を投じざるを得なかったほどの不況や社会的な混乱が起こるかもしれません。
そうすると旧日本人たちにどのような精神的変化が起こるでしょうか。そう、もうおわかりですね。旧日本人は簡単に右傾化していくはずなのです。日本はまた、懲りずにいつか来た道をたどることになるかもしれません。これからの行政・特殊法人改革、企業の不良債権処理は、具体的に個々の既得権益を引きはがしていくプロセスに入るはずです。
そのとき、「他人を傷つけてでもタコ足を食べ続けたい」と望む、人でなしの旧日本人であれば、伝統的な暴力装置を使うかもしれません。そうしたニーズが多ければ、裏の世界に入って手っ取り早く稼ごうとする若者が増えるかもしれません。そんなことになったら、日本は人間の心の弱さ、マイナスの面がむき出しになった無法地帯になってしまいます。そして内戦状態になった日本は世界の国からどんどん取り残され、希望を失った若者は海外に流出することになるでしょう。このままでは、そうなる可能性は低くはないと思うのです。