こんなんじゃ、「猿の惑星」のほうがマシよう
インタビュアー 飯坂彰啓
運営者 もうひとつ僕が以前から、これは一体どうしてなのだろうと思っていることがあります。それは役所や企業は、なんでも大ぶろしきにひとくくりにしてしまおうとする傾向があるということです。
自民党が間口を広げておいて、何でもかんでも全部包み込んでしまうというのは、中世のカトリックが、異常に原理的な連中を修道院に押し込め純粋に教学を極めていただき、法王庁は世俗宗教をやっていたように、何でも包摂するというのが封建社会において大きな権力を築き、その権威的に基づいた支配を行うコツなのではないかと思うんです。
関係ないけど、キリスト教のいいところは酒が飲めるということですね。
飯坂 日本の仏教だって飲めるじゃないですか。
運営者 般若湯で。
飯坂 鵜と鷺が合体した動物を酒肴にしたり。
運営者 ちょっと四つ足系の話はヤバイので話題を変えて、繰り返しになりますが「王様と私」というミュージカルは非常に面白いなと思っているんです。
あの中に描かれているシャムでは、王様に会うときは下々は平伏しなければならない。そういうのって絶対王制国家ではパターンですよね。
飯坂 動物的だよね。犬が喧嘩すると、負けた方が腹を見せるとか。
運営者 サルでいうとマウンティングですよね。まあ、そのレベルですよ。飯坂さんが正しいと思います。僕も極めて動物の社会に近いものを感じますよ。グルーミングというのは、弱い猿が強い猿の毛繕いをすることになってるんです。強い奴が弱い奴のグルーミングをすることはないんです。
飯坂 まあ「猿の惑星」だからしょうがないね(笑)。
運営者 猿の惑星のほうが文明的な感じがするんだけどな。上野の動物園のサル山だって、バカはトップにならないですよ。
飯坂 バカがリーダーになれるというのは、豊かな社会の証拠では。
運営者 高度なサル社会では、バカがリーダーになれるということでしょうか。僕はそうは思わないな。サルはそんなに甘くないですよ。サルのリーダーは雌ザルにかなり気を遣って、人と違って金は使いませんけどね、なかなか大変みたいですよ。
飯坂 森首相なんかはサル山のボスにはなれたんじゃないですか。気配りはするし、押し出しはいいし。小泉首相なんかはどう考えたってはぐれ猿ですよ。
運営者 典型的はぐれ猿でしょうね。なんかの加減ではぐれ猿がトップになることはあると思います。政治評論家は先が読めなくて困っているみたいですから、犬山にある霊長類研究所に聞いた方が話は早いかもしれませんね。
「はぐれ猿の政権はどれくらい続くんでしょうか」ってね。野中猿、亀井猿、このへんが虎視眈々とリーダーの地位を狙っているのですが、小泉猿のほうが今のところメスザルに人気があるんです。これが大変重要なことで、ポピュリズムなんですね(笑)。
そう考えると、誰か猿山に詳しい人に話を聞いてみたいですね。動物行動学者。行動生態学者かな。