あんたらがやっている小悪事は
すべてお見通しだよ
インタビュアー 飯坂彰啓
運営者 それは彼らの得意技でね、カイシャ天皇制の一部分なんですけど、システムに空洞の部分を作っておいて、自分たちの裁量で自由に解釈できるようにしておくわけです。
飯坂 それはいったい何のために。ジョブ・ディスクリプションを明確にしたくないからでしょうか。
運営者 あるいは、自分たちが実際上のことを決める権限を持っておきたいと思っているか。
飯坂 つまり法律にしても、あらかじめ施行細則まで決めておけばよいわけですが、実際にそうやっておくと後で現実との間につじつまが合わないところが出てきて、「整合性がとれてないじゃないか」と言われるのが嫌だから空洞の部分を残しているのでは。役人は、穴があるといわれるのは嫌いますからね。
運営者 そうですね、神を演じなければならない役人は、その細かい穴のところをどうすればいいのか決めるというのが、勝負どころですからね。
飯坂 あらかじめ全てを見通すことなんか不可能だし、不具合が出てきたら、とっとと変えればいいだけなのですが、なかなか変えるのが難しいというところも問題のひとつなんでしょうね。くだらない足の引っ張り合いをするやつがいるからなのかな。
運営者 でも役人は勝手に自分たちで法律を変えることができると思っていると思いますよ。
飯坂 それじゃ意味がないじゃないですか。何のための法律なんですか。
運営者 役人に勝手なことさせるための後ろ盾なんですね。特殊法人の設置法とか。
飯坂 それは皮肉ではありますが、そもそもは法律を作るために国会があって、法を執行するために役人がいるわけでしょう。
運営者 本来的にはそうですよ。
飯坂 ではなぜそのような本来の姿に戻そうというベクトルがないんですか。
運営者 みんな、そんなことができるとか、そうあるべきであるなどということは考えたことすらもないんでしょうね。
飯坂 そんなこと言ってたら、いつまで経ったって変われないよ。それとも、「本来の姿」というのは単なる建前であって、現在ある形が望ましいと本気で思っているのか。
運営者 だから結局のところ、行政改革として細かい改革をやるという建前にしておいて、実際は時間をかけて丁寧に骨抜きにされつつあるということなんでしょう。所管官庁の役人に輪をかけて、既得権を持つ企業から役所に出向している連中が、自社に不都合な改革をまず潰しにかかってますからね。新聞にはニュースのない休日解禁で、いかにも「これはいい」という行革話が発表されていますが、実効性についてはかなり疑問ですよ。
彼らは、我々をバカだと思ってるんでしょうか。いくら抵抗しても、どうせまた同じところに戻ってくることになるんだから、単なる時間と税金のムダですよ。あんたらがやっている小悪事はすべてお見通し、バレバレだよ!