変わるつもりなんかさらさらない人たちを
どうするか
インタビュアー 飯坂彰啓
運営者 だから結局のところ、行政改革やその中の細かい改革をやるという建前にしておいて、実際は時間をかけて丁寧に骨抜きにされつつあるということなんでしょう。新聞にはニュースのない休日解禁で、いかにも「これはいい」という行革話が発表されていますが、実効性についてはかなり疑問ですよ。
飯坂 結局できてくるのは意味のない紙切れであって、役人が「何か仕事した」ってことだけじゃないですか。
運営者 そうですよ。結局彼らは自分たちが変わるつもりなんかさらさらないんですから。泥棒に自分を縛るための縄を作れと言っているようなもんなんです。
飯坂 泥棒って言っちゃ、かわいそうですよ。
運営者 いや、税金泥棒です。費用対効果を考えれば、ペイしている官僚なんか一人もいない。でも本人は長時間拘束されているので働いた気になっているだけ。
飯坂 人件費だけならまだしも、無駄な公共事業をやって出費を何十万倍にも増やしてくださる。
運営者 企業の場合は、少なくともその企業が作ったものを買ってくれる消費者がいるという形で市場の洗礼を受けているし、ヤバイことをやっていたら「潰れる」という選択肢があるんですよ。役人にはそれがないですからね。だから厳しく監視しなければならないんですよ。
飯坂 日本国だって破産の瀬戸際の入り口まで来てるじゃないですか。
運営者 話が面白いところに来てると思うんですけど、結局そのような旧日本人的な組織の中にどっぷりつかっている人たちの意識を、どうすれば新日本人の方向に変えることができるのかというのが問題です。
飯坂 ひとつには、切羽詰まったところに追い込むということでしょうね。
運営者 改革を推進せざるを得なかった通産省のような状況に追い込んでしまうと。民間企業を指導する原局をなくしてしまうということです。それでいくと、国土交通省や文部省、厚生労働省が一番辛いかな。
飯坂 そういう部門には公務員はいらないよね。民間にやらせておけばいいんだから。民間にやらせると不採算部門は切り捨てられるというのなら、そのような不均衡を是正するインセンティブを与える政策を考えればよいのです。現業部門は全部要らない。
政府や公益法人の現業部門を民営化して競争させることのデメリットはほとんどないでしょう。嫌がるのは、そこから給料をもらっている人と商売をもらっている人と権力の基盤としている人だけです。彼らはリスクを計量化してコントロールすることなど思いもよりません。100%左うちわか100%路頭に迷うかしか考えられないんです。
運営者 「学校給食を民間にやらせるのはキケンだ」と平気で主張している人がいますからね。そういう人は自宅に帰って、何を食べてるんでしょうか? キケンを感じないのかな。