こうなったのは国民自身の責任
インタビュアー 飯坂彰啓
飯坂 どうするよ、いったい。過剰債務の不良債権企業については?
運営者 あまつさえ、塩爺がプレサミットでイタリアに行って、「ゼロ成長はしない」と国際公約してしまいましたよね。あれはまずいでしょう。だめなカイシャを潰せば、成長率は落ちますよ。それをやるのが改革なんですから。だけど、別にそれは政府が積極的に潰すわけではないんです。本来は潰れてしまう会社を今まで公的に支えていたわけであって、それが非効率の原因になっていたのですが、それにもう手を差し伸べないというだけです。放置することによって、自然に潰れていくということなんです。それはあまりにも自然なことなのではないでしょうか。
むしろそういった潰れるべき会社が生き残っていたのはなぜなのかということを、我々は考えなければならないのだと思います。
結果として、インフレになるでしょうね。
飯坂 円安になるね。株も下がる、土地も下がる。それしかないか。
運営者 会社の資源を使って、資本から利潤を導き出してそれを株主に還元していくという基本的な仕組みを作れなかったら、その経営はインチキですよ。
飯坂 インチキがまかり通っていますよ。本来は資本市場に行くべき金が預金に回ってですね、預金の運用方法を知らない銀行は国債を買って、国債を発行して得た金は公共事業を支えたり、わけのわからない特殊法人に回ったりするわけです。
運営者 見事な旧日本型経済循環が出来上がっているわけです。おそらくは、これは究極の社会主義システムだと思いますよ。
そうしたシステムを、ソフトランディング的に改革することができるのかどうか。それは時間的に間に合うのかどうかが問題です。
飯坂 だけど、ソフトランディングするということで特殊法人の抱えている債務を精算するということになったらどうするの。
運営者 塩爺は、国鉄清算事業団方式だと言ってますね。それじゃ20兆の債務が30兆になってしまうということを意味しているので、ごめん被りたい。インフレによる踏み倒しが一番でしょう。インフレタックスですね。
飯坂 郵貯を踏み倒すんだ。
運営者 もっともダイレクトな形で国民に痛みを与えてしまうというのが、一番わかりやすくてよいでしょう。
だって、こうなったのは国民自身の責任なんですから。無能力な政府や政治家を放置していたツケは、そのような形で払わざるをえなくなって当然だと思いますよ。
こうした究極の社会主義システムを作り上げたのは昭和初期に活躍した革新官僚です。そのツケを経済的な壊滅と、300万人という生命の犠牲で払ったのに、60年たって一回りしてきたらまたもう1回同じことをしようとしているわけです。これはもう犯罪的ですよ。あるいは自殺か。とにかく正気の沙汰ではない。
飯坂 困ったね。