仕事を通して創り出す価値とは?
インタビュアー 飯坂彰啓
運営者 ところで、僕はこのサイトでは「自分が働いて価値を作る」ということを強調しているけれど、価値というのは一体何なのか。
飯坂 地方の人間が、東京に陳情に出てきて、橋をかけてもらおうとすることは、価値創造になりますかね。日本全体にとっては価値になってないですよね。
運営者 いえ、一応なってはいるんです。多分、価値がついているということと効率性とは別のことなんですよ。新幹線を使って、東京に出てくるという形での消費を行うということ自体が価値であるとは思いませんが。
そういうふうに割り切って行くと、かなり厳密に価値を規定しなければならなくなると思うのですが、例えば、一番価値が分かりにくそうなサービス業で考えてみると、サービス業で一番価値を作る仕事は何なのかというと、客に満足をどれだけ与えられるかということなわけです。
飯坂 もしそのサービスがなければ消費されなかったものを提供して、新しい消費を作り出したということが価値なのでは。
運営者 そうすると、新幹線を使うという消費も、価値創出ということになっちゃうんですけど。むつかしいな。
飯坂 投資は消費とは違うから、価値創出活動なのかな。GDPが伸びるということと、価値創出は同じではないんでしょうね。
運営者 多分そう思います。難しいですね。ただまあトンネルを掘っているときに、間違った方向に掘っていくのは全く価値がない仕事であるということは言えると思うんです。
飯坂 価値イコール利潤かな。
あるいはリターン イコール バリューだと考えると、リターンはリスクと見合うものでなければならないから、そうするとリスク対リターンというのは……。
それに投資に対するリターンというのは「実現してなんぼ」ということもあるし。
運営者 うーん。「 仕事とは価値を創り出すものである」といえば何となく納得できるのですが、「では価値とは何なのか」と聞かれたら答えることができないっていうのは困ったことですね。
価値とは何か、仕事を通して価値を作るというのはどのような状態を指しているのか。これは、宿題にしておきましょう。