ネットワーク対応力■
■社外に出ていかない / 外界志向・オープン志向
若造 それでね、上司を見ていて思うんだけど、旧日本人に決定的に欠けている「能力」で、しかもこれからのビジネスマンが持っていなければ生き残ることができない能力がいくつかあると思うんだ。それは、「ネットワーク能力」と「ビジネス・マインド」なんだよ。これがないと新しいビジネスを創出できないと思うんだ。
まず、旧日本人ビジネスマンは内弁慶で、会社の外に出て自分の世界を広げたり、勉強しようとはほとんどしないもんです。引きこもりの若者を非難してるけど、自分たちの方が「社内ヒッキー」だよね。
おやじ 当たり前だろう、そのために会社に居るんだから。会社には仕事に必要なものはすべてそろってるんだから、会社に居られる限り、勉強する必要などないんだ。
若造 「自分は会社に一生ぶら下がっていくことができるから、煩わしい勉強なんかする必要は全然ない」と思いこんでるんだね。それは、外部情報の重要性をまったく理解していないからそう思ってるんだろうけど。だけど本当に重要な情報は、会社の外にゴロゴロ転がってるんだよ。
おやじ 会社の外のことは、あくまで外のことだよ。われわれには関係がないことだ。
隣の芝生は青く見えるだろう、それで外に出ていっても、実は大したものはないし、騙されたりするだけで、ろくなことはないのさ。会社の中に居れば、なにより安全だし効率がいい。外に出て行きたい奴は、勝手にやるがいいさ。
若造 そうすると、社外で今まで見たことがないような面白そうなものを見つけたら、どう思う? 新しいモノをつくるヒントになるかもよ。
おやじ 「君子危うきに近寄らず」だな。
若造 「異物との出会いは、チャンスだ」と思わなきゃ。
なんだかわからないけど、ひょっとしたら自分にとってプラスになるものかもしれないじゃないか。
おやじ プラスマイナスのどちらかわからないんだったら、受け容れない方が安全確実じゃないか。
若造 新しいものをいったん受け容れて、よく考えて、自分の価値観に照らし合わせて、分析した上で判断してもいいんじゃない。君子危うきに近寄らずって言うけれど、「リスク」を取らないとリターンはないんだよ。
おやじ だからオレはリスクは嫌いなんだ。なぜわざわざ進んで危険な道を選ばなければならないんだ。それは青春の特権かもしれないが、われわれいい年の者がやることではない。