■「場」に参加できず / ネットワーカーとして活躍3
おやじ 会社だったら、上司が部下の面倒を見るようになっているんだから、そちらの方がわかりやすくていいじゃないか。上下関係がはっきりしていないと、誰の言うことを聞いていいのやら迷ってしまうな。
若造 そもそも全ての市場参加者には、「市場にぶら下がる」ということは許されないから、「誰かに面倒を見てもらおう」とか、「誰かから一方的に情報を与えてもらおう」という考え方自体がまちがってるんだよ。
公正な市場では、一人の人間が一方的に情報発信したり、逆にネズミ講みたいにある一人の人間だけが得をするということがあってはならないんだ。そういう状態になったネットワークは崩壊してしまうん。
ではどうすれば、ネットワークに参加している全員が満足して、しかもその輪がどんどん広がっていくようになるか?
おやじ オレはもうすでに、そんなネットワークは加わりたくないと思っているんだが。
若造 全員が、「このネットワークに参加することで自分は得をしている」と満足するネットワーク、それは「WIN-WINパートナーシップ」という言い方をしてもいいかもしれないね。
おやじ なんだそれは?
若造 全員が共に「勝った」「儲けた」と言える関係性だよ。
おやじ そういう仲間なら、オレも入りたいと思うが。
若造 そこに「入りたい」と思ったら、他人が持たない魅力的なビジネス能力と、それをアピールできるコミュニケーション力がなければならないよね。それからネットワーク内で起こったことでどんな目にあっても自己責任を取らなければならない。チャンスはあるんだけど、その逆にリスクも取らなければならないということだよ。
おやじ そんな面倒なところなのか、ネットワーク・コミュニティってのは。
とりあえず誰か「こいつに頭を下げて従っておけばいい」という相手を探して、そいつの庇護の下からスタートするというのが賢そうだな。胴元にあいさつ通しておけばいいということなんじゃないのか?
若造 ネットワーク・コミュニティには、だれが目上で誰が目下という序列はないんだ。。参加者は自分から働きかけないと、ネットワークから何かを引き出すことはできない。答えは誰も教えてくれないから、自分が他の参加者と接触して、探し出していかなければならないんだよ。