日本人の思考回路とは
インタビュアー 飯坂彰啓
飯坂 思考回路なんでしょうね。
求心力というところから考えると、優秀な中国人が中国人に対するロイヤルティーをどれぐらい持っているかというと、これはよくわからないんだよね。「強い中国であれば、共産中国であってもロイヤルティーを持つ」という人は多いかもしれないけど
運営者 簡単に裏切ると思いますね。彼らがロイヤルティーを持つのは、家族とか、自分が属する結社とか、そういった利益集団のみだと思いますよ。
飯坂 それに対して、大日本帝国に対するロイヤルティーは、負けるまで失われなかったからね。
運営者 負けても皇居遥拝していましたからね。
飯坂 その後がひどかったんだけど(笑)。朝日新聞の変節はその意味で日本文化の一面を代表しているといえるかも。
運営者 それもひとつ、日本文化の特徴だと思います(笑)。現実を受容する力があるというか、ある閾値を越えるとポッキリ折れるというか。節操がないというわけではない。
飯坂 軍人は、戦場にいて目の前で見てるわけだから、いかにマインドコントロールされていようとも、「この戦争は負ける」ということは、まあわかってるはずなんですよね。それでも忠誠心を保ち続けたというのは、やっぱり日本文化の発露なんだろうし。
運営者 「負けるだろうけれど、全体の利益を慮って、とりあえずこのまま行ってみんなで死にましょう」ということになっちゃう。戦艦大和に乗って沖縄を目指した人たちは、本人たちは「こんなの絶対ムリむりかたつむり」と思っているんだけれど、死ぬしかないから、つじつまを合わせるために「死んで大平の礎になろう」というという話になっちゃうわけです。
韓国軍はもうちょっと合理的で、戦力差で自衛隊に勝てないのはわかっているので、大統領がいくら反日宣伝をして国民を煽っても、「日本とやるのは勘弁してくれよ」と思ってるみたいですね。一部の暴発や、他国をバックにした場合は、韓国軍による自衛隊攻撃はあり得るかもしれませんが。
飯坂 戦後の高度成長を支えたのは、戦前のモデルであった、エリートが財閥系の会社に入って豊かな暮らしをするというロールモデルが国民の間に浸透していったということがあったと思うよね。
運営者 ロールモデルを全国民が共有していて、しかもそれはひとつしかない。だからそこには優秀な人間が集中して、団塊世代の悲喜劇を生んだわけです。
飯坂 優秀な人間というよりは、優秀な人間になろうとして努力した人たちがたくさんいたということだよね。それはすごく大切なことで、それだけ社会に有為な人間が生み出されることになったわけだから。
運営者 もうひとつは、そうしたひとつの画一的な価値観に基づいて多くの人たちが行動したということ。すべての資本が限られていた高度成長期においては一点集中一点突破型の成果を生んだことは事実でしょう。日本文化は、そうした成長の段階においてはラッキーだったんですよ。