相撲 まさに日本。まさに国技
インタビュアー 飯坂彰啓
運営者 相撲協会は、最も日本的な組織のひとつだといっていいと思います。それこそ「無理偏にゲンコツ」の世界です。それじゃ弟子だって死にますよ。
外部の人たちも、北の湖理事長が言ってることを、ルールに基づいて言っているとは、だれも思っていないですよね。
飯坂 でも、「北の湖だからまあいいか」って感じだよね。
運営者 昔から悪役でしたからね。
飯坂 現役のころから「こんちくしょう」と思われてますから。
それを引退しても一貫してやってるんだから、立派だといえば立派だよね。「憎たらしいほど強い」といわれてたから。
運営者 それが朝昇龍を処罰しようというんだから、変われば変わるもんですよ。
あの頃、外人の相撲取りといえば高見山で、彼のイメージのよさがその後の外人進出にはかなりプラスになっているかもしれませんね。すごい功労者だな。
飯坂 高見山のイメージは、武蔵丸がうまく引き継いでいるね。
運営者 相撲の世界はむちゃくちゃだなというのは、僕も相撲部屋の取材で実際に行ってみてわかりましたよ。詳しくは言いませんけど、親方絶対の世界で。
飯坂 まさに日本。まさに国技。
運営者 日本企業が国際競争で勝ち抜きたいと思うんだったら、相撲部屋じゃまずいだろうということですよ。
飯坂 外国人力士が入ってきて「日本的ウィンブルドンをうまくやっている」と言ってる人もいますけどね。
運営者 あり得ないっす。いじめがひどくて新弟子が入らなくなってきているから、かわりにガイジンを入れていじめていることをウィンブルドンと言われてもねぇ。
イギリスがウィンブルドン化してどうなったかというと、イギリス資本の銀行が消えちゃったくらいじゃないですか。
飯坂 最近はそうでもないけどね。RBSとかバークレーズとか頑張ってるよ。当時はベアリングはつぶれ、シュローダーがなくなり・・・。
運営者 少なくとも僕は、日本企業のビジネスマンは、トランスペアレンシーにしても、コンプライアンスにしても、少なくとも「ウソつくのはよくない」というくらいには進歩したと思うんですよ。これまではウソつくことも平気だったんですから。