教育に威圧的に口出しするようになった経済界 藤原正彦先生論文「国家の堕落」を読む
読書仲間 飯坂彰啓
運営者 あのね、はっきり言いましょう。これ、論理性はまったくないですよ! 抜けだらけですよ!
飯坂 いや、そうでなくて新しい公理を作って、それによる新しい世界をつくったということなんじゃないんですか。数学者は自由ですから。数学においては、論理的に整合性があれば、どんな仮定でも置いて、そこから世界をつくっていくことができますから(笑)。
運営者 わかりました。っていうか、これって藤原先生の脳内妄想じゃないのかという気がしてきましたが、基本的に全部。
いや、それで230万人をだますことができるのであれば、それはそれでたいした妄想だと思いますよ。「マトリックス」に近いですよね。
飯坂 だますと言うつもりじゃないんだろうけれど・・・。
運営者 で次、「国民の持つ多様な側面を深く洞察し、大局的観点から微妙なバランスをとる、という至芸は、よほどの人物にしかできないことであって、内閣府の役人が選んだ、御用実業家や御用エコノミストの能くするところではない」。
至芸ですよ、至芸なんて志ん生とかしか知らないですねえ僕は。
飯坂 政治とか行政とかを、芸でやってもらったら困るんだけど。よほどの人物でなければ国家が運営できないのであれば、ほとんどの国は先生の言う「微妙なバランスを崩して」いるでしょう。人間国宝みたいな人じゃないと国家運営ができないというのは、ちょっと勘弁して欲しいなぁ。
運営者 パフォーマンスの高いフィンランドなんか、人口500万人だけど、「よほどの人物」がたくさんいるんでしょうなあ。
もうひとつは、その「よほどの人物」をいったいだれが選ぶんでしょうねぇ。日本は民主主義なので国民が選ぶことになっているわけですが・・・。
飯坂 そうじゃなくて、きっとダライ・ラマみたいに生まれ変わりが現れるんですよ。
運営者 たしかに。それでこそよほどの人物です(爆)。
そして、「『官はダメ民はヨイ』という単純な論理を旗印に爆走している」「教義を疑うどころかさらに強引な構造改革を進める勢いである」。けしからんと、狂信的であると藤原先生はお怒りです。
飯坂 まあ国立大学を、国立大学法人にしたのがよくないと言いたいわけなのかなぁ、お茶の水大学の藤原先生としては。
運営者 察しがいいですね、その話はこの後に出てくるんですよ。次の章の見出しは「教育に口出しするようになった経済界」と書いてあるでしょう。「威圧的に口を出す」とまで書いてますからね。
飯坂 「畑違いの政治・医療・教育と手当たり次第何にでも口を出す」か。